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一次創作的キュレーションと2次創作的キュレーション

キュレーション 芸術とはなにか

前回はキュレーションの構造と目的について書きました。

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さて、この人の生存戦略に基づいた本質的な営みであるところのキュレーションなのですが、実は大きく二つの種類に分けられるんです。

正直それをなんと呼んでいいのかわからないので、ここでは一次創作的キュレーション二次創作的キュレーションと呼んでおきますね。

ざっくり書くと、以下の通り。

前提まとめ

私達の最大の目的は生存し続けること。

そのためには子供をたくさん作って個体数を確保する必要がある。

個体数を確保するためには、より広い安全な場所(ナワバリ)が必要。

安全な場所(ナワバリ)を広げるためには、現時点では安全ではない場(未知)に飛び込んでいかなければならない。

個々が場当たり的に飛び込んでいくのもいいけれど、仲間と協力して周辺の情報を収集し、共有した方が有利。

つまり私達はナワバリを拡張するために、この「地球という圧倒的な未知」の情報を分業することで収集し、検証しているのだということ。この活動は人の生存戦略に基づいた本質的なモノなので、すべての個体は例外なくこの活動に参加している。この身の回りの情報を収集し、編集し、共有することをキュレーションという。

そうやって収集された情報を共有する為の「ネットワーク」の事を社会という。そしてそのネットワークの範囲内に蓄積した「その場で合理的に生きていくための方法(の体系)」を文化という。

そのネットワーク(社会)は、大きさや質の違いによって家族・友人・クラスメイト・社内・思想信条及び趣味のコミュニティ・業界・自治体・国家・人種・グローバル空間・人類などと、その名称を変える。

現在ではその最も広く薄いネットワークは実質地球全域に及んでいる。そのネットワークのことをグローバル空間といい、そのグローバル空間というネットワークの成熟度が上がっていく様をグローバリゼーションという。

一次創作的キュレーションと2次創作的キュレーションとは

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一次創作的キュレーションとは、Aという社会にあったモノ(又はどの社会にもはっきりとは認知されていないモノ)を、Bという社会に持ち込むことを指しています。つまり、その社会にとってのオリジナルを外部から持ち込む行為と言ってもいいのかもしれません。

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それに対して二次創作的キュレーションとは、ある社会に一次創作的キュレーションされたモノ(その社会におけるオリジナル)のバリエーションを、その社会の中で増やしていくことを指しています。

例えばラーメンやカレー、仏教というのも、はるか昔に誰かの手によって日本という社会に一次創作的キュレーションされたモノですよね。でも現在では日本人(日本という社会の構成員)の手によっていくつにも細分化(二次創作的キュレーション)しており、オリジナルに縛られることなく独自の文化として自生しています。

ラーメンで例えると

スープと麺を合わせた料理である拉麺は、明治時代に日本という社会に一次創作的キュレーションされたようです。このキュレーションによって、日本という社会に拉麺を作ったり好んで食べたりする人たちのネットワーク(ラーメン業界という社会)が形成されました。

この拉麺というモノは日本という場において有用だったため、カツオや煮干し、鶏ガラや豚骨及び野菜などでダシをとったスープに塩や醤油、味噌といったタレが組み合わされることによって次々と二次創作的キュレーションされ、どこかのタイミングで「ラーメン」という日本独自の文化に昇華されたのです。

そして三次、四次とキュレーションされ続けたことで限定的な領域(日本)の中で成熟(飽和)した「ラーメン」は、『RAMEN』となることによって現在ではグローバル空間というより大きな社会に今いちど一次創作的キュレーションされていますよね。

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最後に

人の個体は本人が意識していようがいなかろうが、日々の営みの中で何かしらの社会に何かしらのモノをキュレーションしてしまうようにプログラムされているんです。

そしてキュレーションされた無数の「何かしらのモノ」の中で、その社会や人類にとって有用なモノはやがてその社会の中で飽和(二次創作的〜n次創作的キュレーション)し、より上位の広い社会に再度一次創作的キュレーションされるのだということですね。

今回はキュレーションという概念を、一次創作的キュレーションと二次創作的キュレーションに分けました。この整理は今後それなりに重要になってくると思います。

ちなみに二次創作的キュレーション(〜n次創作的キュレーション)という概念は実際にはもう少し複雑なので、その辺りはシミュレーションやシミュラークル、アウラといった概念と接続してまた書きたいと思います。